乳がんの治療で化学療法(抗がん剤治療)を受けているkosatoです。
51歳で乳がんが見つかり、手術療法で両胸を全摘、左側の腋窩リンパ節郭清(脇のリンパ節をまるごと切除)しました。
手術後の病理検査で左のリンパ節から予想以上の転移が見つかり、想定外の抗がん剤治療が始まりました。
まず私が受けた抗がん剤治療は「EC療法」です。
これは、エピルビシン(E)+シクロホスファミド(C)(=商品名:エンドキサン)を組み合わせて投与する化学療法です。
EC療法の従来の投与スケジュールは3週間隔投与を3~4コース反復して行う、というやり方が一般的でした。
これに吐き気止めなどの薬を併用し治療を受けます。
吐き気のほかに抗がん剤の副作用で、注意しなければないものが「骨髄抑制(白血球・好中球の減少)」です。
抗がん剤による好中球減少のピークは抗がん剤投与後7~14日後とされているので、好中球の回復を待つため3週の間隔を開けて次の抗がん剤となる訳です。
発熱性好中球減少症の発症を抑える薬「G-CSF製薬」
「G-CSF製薬」はこの骨髄抑制によっておこる「発熱性好中球減少症」の発症を抑える薬です。
骨髄は血液を作っている場所ですが、抗がん剤の副作用によってこの機能が低下すると白血球(好中球)が減少し細菌やウイルスにたいする抵抗力が減少するのです。
これにより感染症にかかりやすくなり、一度かかってしまうと重症化しやすくなります。
特に抗がん剤治療による好中球減少時に発熱した状態を「発熱性好中球減少症」と呼びます。
抗がん剤投与後の7~14日目頃に発症しやすく、治療が遅れると急速に悪化し、重い感染症につながる可能性があり危険とされています。
病院からは抗がん剤投与後に38℃以上の発熱があった時、解熱剤で一度様子を見て、発熱が2日以上続いた場合は必ず受診するようにと指導がありました。
そこで、好中球を増やす薬を使い「発熱性好中球減少症」の発症を抑えよう、というのです。
この薬は「G-CSF製薬」と呼ばれ、骨髄などで好中球の元になる細胞を刺激し、好中球を増やしたり働きを強めたりします。
「G-CSF製薬」の効果の出方としては、G-CSF製薬投与直後から急激に好中球が増加します。
その後好中球はだんだんと減少しますが、スタート時に多く増やしているので、薬を使用しない時に比べて多めの数値で推移します。
また抗がん剤による好中球減少のピークは抗がん剤投与後7~14日と先ほど書きましたが、G-CSF製薬投与で好中球の数値が早めに回復します。(だいたい10日後くらいから徐々に)
これは病院で貰った冊子にとても分かりやすい図がありますが、勝手に使用できないので控えます…
文章の説明でなんとなくお分かりいただけたでしょうか?
実際に私と同じ治療になった場合は、先生からの詳しい説明とともにこの冊子がもらえると思いますよ。
このように「G-CSF製薬」を使用することで好中球の数を増やして、3週間を待たずに2週間サイクルで抗がん剤が投与できるようになりました。
ジーラスタは「G-CSF製薬」の一種
さて、長くなりましたが「ジーラスタ」はこの「G-CSF製薬」の一種です。
G-CSF製薬は色々な薬が製造されていて、従来型の薬は「短時間作用型」なので好中球減少時に連日注射する必要があります。
一方「ジーラスタ」は抗がん剤投与後に1回だけ注射することで持続的に作用する「持続型」のお薬です。
私はこの「ジーラスタ」を併用したEC療法を2週間サイクルで4コースという投与スケジュールになりました。
ジーラスタボディーポッド
ジーラスタには、抗がん剤投与の翌日以降に病院で医師や看護師に注射してもらうものもありますが、タイマー式で自動投与ができる機器が「ジーラスタボディーポッド」です。
抗がん剤投与の後、病院でお腹にセットしてもらいます。
機器のスイッチを入れたら本体をお腹に貼り付け、柔らかいチューブのカテーテルをお腹に刺して準備しておきます。
スイッチを入れた時間からおおよそ27時間後に自動的に薬の投与が始まります。
投与が正常に終われば、自分でカテーテルを抜き、本体を取り外します。
取り外し方や注意、機器の状態を確認する方法などが記載された冊子を毎回渡されますが、その冊子におおよその投与時刻を記入してくれます。
私の場合、抗がん剤投与の終わりが15時くらいであることが多いので、ジーラスタの投与は翌日の18時頃からのことが多かったです。
ちなみに、ジーラスタボディーポッドは濡らしてはダメなので抗がん剤投与の日にはお風呂に入れません。
また、本体に大きな衝撃や振動を与えると正常に作動しないことがあるので、なるべくはおとなしく過ごします。
もちろんお腹にカテーテルが刺さってますから激しい動きなんてしないですけど。
機器に異常がある時はランプで知らせてくれるので、その時は病院へ連絡しなくてはなりません。
自動投与できないとなると病院で投与してもらわないといけませんから。
私の経験では特に慎重になり過ぎなくても異常が起こったことはありません。
とはいえ看護師さんは「まれに機器異常が起こることがある」と言っていましたが。
投与が近づくとランプでお知らせしてくれますし、投与中・投与完了もランプの色や点滅で教えてくれます。
あと投与しているときは、薬剤を押し出すゴム?の音が「キューキュー」と小さな音ですが聞こえます。
周りが静かじゃないと聞こえませんが…
取り外しも難しくありません。
自分で取り外したジーラスタボディーポッドは医療廃棄物なので専用の袋に入れて次回の受診時に病院へ持っていきます。
ジーラスタの副作用
抗がん剤の副作用を抑えてくれる有難いお薬であるジーラスタですが、このジーラスタにも副作用があります。
私の場合、ジーラスタ注射の次の日から2日間は必ず熱を出しリンパ節が腫れました。
これはEC 療法が終わるまで繰り返されました。
一回目の抗がん剤投与が終わり翌日にジーラスタを投与したその次の日、熱が38℃出て、リンパ節が腫れて顔はパンパン、首や上腕や腰あたりも触るだけで痛みました。
38℃以上の熱が続く場合は受診するようにとのことでしたが、それは好中球が減る7~14日後の話だったはず…
リンパ節が腫れる(しかも顔がパンパン)なんて、心配になり夜間救急外来へ行ってしまいました。
血液検査をして点滴を受けましたが、原因は救急の先生ではよく分からなかったみたいです(自分で言ってました)。
血液検査の結果白血球が爆発的に増えていたので、「おそらく何らかの感染症になり、それに対抗しようと白血球が増えているんじゃないか」との見立てで、抗生物質を飲むように言われました。
でも違ったんですね。ジーラスタが効きすぎて白血球が急激に増えていたんです。
先に書いたように、ジーラスタは投与後に白血球(好中球)を急激に増やす効果がありますから、これが正常なのかもしれません。
ただ、私の体がその変化に反応して発熱やリンパ節の腫れとして出てしまったんですね。
抗がん剤治療前のカンファレンスで説明を受けた発熱=発熱性好中球減少症とは別のものだったのです。
次の予約日に主治医の先生と話した際、そのような説明を受けました。
なので、初回のその時は抗生物質を飲んだけれど、ジーラスタ投与翌日の熱はジーラスタが原因らしいとわかって、抗生生物質は飲まなくてよくなりました。
私の場合パターン化してきたので分かりやすかったのですが、感染症による発熱の場合のあるので自己判断せずに病院で確認してくださいね。
私の場合ジーラスタの副作用による発熱とリンパ節の腫れはジーラスタ投与後毎回必ず出ました。
ジーラスタが原因と思われる副作用が他にもあって、「歯茎の腫れ」や「目の奥の痛み」、「頭痛」、「関節痛」などです。
関節痛はジーラスタの冊子に「骨痛」として記載があります。
骨髄の中で白血球(好中球)が急激につくられることでおこると考えられていて、腰や胸、骨盤などにジーラスタ投与後2〜3日くらいで現れることがあります。
私の場合はジーラスタ投与後2日後くらいから背骨の痛みが出ました。
あまり経験したことのない関節痛のような内側くる痛みでしたが、長くは続かず、2~3日で自然になくなりました。
発熱は37.5℃~38℃くらいが2日間出て、その後も数日微熱があったり、頭痛・歯茎の腫れ・目の奥の痛みは続きます。
結局、ジーラスタによる不調から立ち直るのに1週間くらいかかってしまいます。
抗がん剤投与のスケジュール2週間サイクルということは隔週で抗がん剤投与がある訳ですが、そのうちの1週間をジーラスタによる不調で潰してしまうことになります。
結構これがしんどくて、毎回寝込んでは家族に迷惑を掛けていました。
<まとめ>
ジーラスタの副作用 よく見られる副作用
- 骨痛、関節痛、筋肉痛
- 頭痛、倦怠感
- 発熱
- 白血球増加、好中球増加
- 眼球の痛み、歯茎の腫れ(kosatoの場合)
ジーラスタの副作用 まれに起こる重大な副作用
- ショック、アナフィラキシー
- 間質性肺疾患
- 急性呼吸窮迫症候群
- Sweet症候群
- 大型血管炎
ジーラスタやめました
ジーラスタの副作用とともにもちろん抗がん剤自体の副作用もあります。
味覚の変化や脱毛、ドライマウスなどがあり、それぞれに困ったことがあったのでそれはまた別の記事で書きます。
抗がん剤治療の日には必ず主治医の診察があるので、このような不調を毎回訴えていました。
そこで、EC療法(ジーラスタ併用)の2週間サイクル4コースが終わり次の治療へ移る際、ジーラスタは使わない治療に変更しました。
当初の予定ではEC療法(ジーラスタ併用)の2週間サイクル4コースのあと、タキサン系を同じように2週間サイクル4コースで行うはずでした。もちろんジーラスタ併用です。
ですがジーラスタの副作用がしんどかった私を見て主治医の先生から投与スケジュールを「毎週」にしてはどうか?との提案がありました。
毎週って、もっとキツそうですよね?
でも、先生の説明はこうです。
2週間サイクルでジーラスタ併用する場合、1回に投与できる抗がん剤の量は多くなるそうです。
ジーラスタで好中球の減少に関しては対処できるので一度に多量の抗がん剤を投与し、2週間サイクルで4コース、つまり4回で済むのです。
これに対し、毎週投与のスケジュールの場合、一度に投与する抗がん剤の量は少ないそうです。
少ない量なので抗がん剤の副作用も控えめで、好中球の減少も自力でなんとかできる範囲で済む(はず)とのこと。
その代わり、回数が増えます。
毎週の投与を12週間続けなくてはなりません。
(毎回の血液検査の結果や体調を見てお休みすることは可能です。)
2週間サイクル4コースだと2か月で終了するところを12週間ですから3か月に延びる訳です。
抗がん剤治療を早く終わらせたい身からすると少し躊躇します。
あとひとつリスクというかデメリットなのはタキサン系の副作用で代表的なものである「しびれ」が、毎週投与の方が強く出る傾向にあるとのことでした。
タキサン系(パクリタキセル)の治療に関しての詳しい記事はこちら。
「しびれ」に関しては出ない人は全く出ないし、2週間サイクルでも出る人は出る、とのことでこれは考えても仕方がないと思うことにしました。
迷ったのは抗がん剤治療が後ろに延びることと、毎週通わないと行けないというところ。
パクリタキセルの点滴にはアルコール成分が入っているので自分で車を運転していくことはできません。
(そもそも吐き気止めで眠くなるので今までも家族に送迎してもらっていましたが)
毎週って家族にも負担になるかな、と考えました。
しかし、ジーラスタの副作用でほとんど1週間使い物にならない自分だったので、少しでも元気に家のことをできる方が良いんじゃないか?と思い、毎週の投与に決めました。
普段は在宅勤務の夫に、夫が難しい時は近くに住む父に送迎をお願いしています。
結果、体はめちゃくちゃ楽です~。
発熱がないので寝込んだりしないのが何よりです!
抗がん剤の副作用も言われた通り少し楽かも。
パクリタキセルの副作用はEC療法での副作用と少し異なるのですが、それはまた別の記事で書きますね。
ジーラスタで助かっている人は沢山いると思います。
私は相性があまり良くなかったみたいで残念です。
副作用の症状や現れ方も人それぞれです。今回の話はあくまでも私の場合です。
やってみないと分からないのも事実です。
副作用がしんどかったら途中で治療方法や投与スケジュールを変更することも可能ですので、遠慮せずに主治医の先生に話をしてみてください。

