抗がん剤の副作用で味覚障害があることは知っていました。
でも、実際に経験してみると、私が一番困ったのは「味が分からない」ことではありませんでした。
“思っている味と違う”
これが本当にショックでした。
抗がん剤の投与1回目からすぐに味覚に異常を感じました。
口の中がなんだか不味くて、自分の唾も不味く感じられる状態。
口の中に常時アクが張り付いているようなエグ味を感じます。
そして麦茶を飲んだ時にはっきりと違和感を感じました。
苦味を強く感じるというか、記憶の中の味と違う違和感。
「記憶の中の味と違う」というのが大問題で、単純に何かが不味く、何かが美味しい、というよりは「思ってたんと違う!!」っていうことが多いです。
ある日買い物をしていて「サッポロ一番 みそ味」が食べたくなって買ったんだけど、いざ作って食べたら美味しくなくてショックでした。
記憶の中の味じゃない…
私が食べづらかったもの・食べやすかったもの
私の感覚としては、苦味と甘味は敏感に、塩気は鈍感になっている気がします。
あとこれは痛覚の問題かも知れないけど、辛味に弱い…
飲み物ですが、麦茶もそうだし(健康な時は麦茶が苦いという認識はなかった!)、毎日飲んでいたコーヒーも美味しくなくなり、すっかり飲まなくなりました。
ぶどうジュースなんかも健康な時以上にタンニンを感じます。
水も不味いが飲むしかないので心を無にして飲み込みます。
氷を入れて冷やして飲むとグッと飲みやすくなります。
炭酸飲料も比較的飲みやすいです。
普段炭酸を飲む習慣は無かったのですが、ジンジャエールに目覚めました。
ちなみに、炭酸水のレモン風味とか「風味」はダメでした。薬品ぽさを感じてしまいます。
あと、牛乳が苦手だったんですが、飲めるようになりました!何か苦手に思っていた風味が味覚障害で感じづらくなっているのかも?
味がある飲み物が欲しいときに牛乳にメープルを少量溶かして飲んだりしています。
甘味は強く感じる気がします。
特に「あんこ」がちょっと苦手になりました。
これは食感が関係あるのかも知れません。ベタつく感じが嫌なのかも。
チョコレートなんかもそう。
甘いものを食べたいと思うことがそもそも減りましたが、アイスなら大歓迎!
冷たくて口溶けが良くて今の口にぴったりです。
やはり冷たいものの方が味にも鈍感になれて食べやすいです。
塩気も少し鈍感になっている気がします。
料理で味が薄い気がしても家族は「薄くない」と言うことが何度もありました。
辛味には明らかに敏感です。
辛いものが好きで、気分的にも辛くて酸っぱい物を欲しているのに、口の中が痛くなるので食べられません。
辛ミョンのトムヤムクンラーメン、食べたいのに!
そしてこれは食感ですが、モソモソしたものは喉の手前で不快に感じて美味しくない。
苦味を感じるのは舌の奥だっていうから、その辺りに何かしらの変化が起こってる?
ご飯でさえそのままだと美味しくなくて飲み込みづらい…涙
ちなみに、お腹は普通に空きます。食べたいものを見つけるのが難しいだけで。
食べやすくするポイントは「冷たい・ツルツル・酸味」
苦手なものをまとめると
- 苦味(麦茶、コーヒーなど)
- 甘味(あんこ、チョコレートなど)
- ベタベタ(チョコレート、カレーなど)
- モソモソ(ご飯、パン、フライ、クッキーなど)
反対に食べやすいものは
- 冷たいもの
- 喉ごしが良いもの
- 酸味があるもの
- 塩気があるもの
私は毎日、朝ご飯は納豆ご飯とヨーグルト、お昼ご飯は冷たいそうめんで過ごしています。
納豆はご飯をツルツル食べやすくしてくれるし、ヨーグルトは冷たくて酸味があって食べやすいです。
お昼のそうめんは冷たければシンプルにめんつゆでも良いのだけど、飽きないように味変しています。
定番アレンジは「もずく+オクラ+梅+納豆」これが最強。ツルツルいけます。

ちなみに匂いにも敏感になります。
これは味覚障害ではなく、もしかしたら吐き気とかそちらの関係かも知れないのだけど、匂いに「うぇ」ってなることがあります。
バターの香りを付けたマーガリン!これがダメでした。
先ほど触れた炭酸水のレモン「風味」もそうですが、人工的な匂いには敏感です。
匂いに関しても困ったことがあるので、これはまた別の記事で書きます。
味覚障害も人それぞれ
味覚障害は人によって感じ方が違うと思います。
私にとって食べやすかったものが、ほかの誰かにとっても食べやすいとは限りません。
もし今「何を食べても美味しくない」と落ち込んでいる方がいたら「この人はこうだったんだ」くらいの気持ちで読んで頂き、参考になるところがあれば参考にして頂けたら嬉しいです。
治療が終わって、またあの”記憶の中の味”で「サッポロ一番 みそ味」を美味しく食べられる日が来ると信じて、今はそうめんで乗り切ります。

