抗がん剤治療中の口のトラブル|口の渇き・ベタつき・口内炎

副作用

51歳で乳がんが見つかり、両胸の全摘と左側の腋窩リンパ節郭清(脇のリンパ節をまるごと切除)を受けました、kosatoです。

抗がん剤治療が始まってから、私にはいくつかの副作用がありました。

その中でも、今回は「口の中のトラブル」について書きます。

私が特に困ったのは、

  • 口の乾き
  • 口の中のベタつき
  • 口内炎

の3つです。

味覚異常も口の中の症状ではありますが、以前の記事で「味がどう変わったか」について詳しく書いたので、今回は口の中の乾燥や粘つき、口内炎と、それに伴う口腔ケアについてまとめます。

これから抗がん剤治療を受ける方や、同じように口の中の不快感を感じている方の参考になれば嬉しいです。

※ここで紹介するのは、私自身の治療中の経験と、病院からもらった冊子などをもとにした内容です。症状や対処方法には個人差があります。気になる症状がある場合は、主治医や歯科医、薬剤師さんなどに相談してください。


抗がん剤と歯の治療 抗がん剤治療を始める前に「口腔ケア」

抗がん剤治療中は、口の中の乾燥や口内炎などの症状が出ることがあります。

口の中のトラブルがひどくなると、食事が十分にとれなかったり、眠れなかったりして、体力の低下につながることもあります。

病院でもらった資料には、がん治療を始める前から口の中を清潔にしておくことが大切と書かれていました。

治療開始前には、

  • 歯磨きやうがいをきちんと行う
  • できれば治療開始前に歯科を受診する
  • 虫歯や歯周病などがあれば治療しておく

といった口腔ケアが大切だそうです。

私の場合、これは乳がんの手術が決まった時にも説明を受けました。

そして、偶然にもその頃、歯医者さんの予約を入れていました。

人気の歯医者さんで、年末年始を挟んだこともあり、かなり先の予約になっていたのです。

予約した時にはまだ乳がんと確定していませんでした。

ところが、実際に歯医者さんを受診する頃には手術の予定が決まっていました。

そこで乳がんの手術を受けることを伝えると、入院前にクリーニングや必要な治療を終えられるよう、スケジュールを組んでくれました。

結局、手術前の1か月ほどで3回通いました。

歯医者さんにも、自分の病気やこれから受ける治療について伝えておくことが大切だと思います。

治療のスケジュールに合わせて、必要なケアを一緒に考えてもらえるからです。


抗がん剤治療中にできた口内炎

抗がん剤治療前の問診でも、口内炎について聞かれていました。

私の場合、初めて口内炎ができたのは、抗がん剤治療がウィークリーパクリタキセルになって3クール目の頃でした。

健康な時の口内炎は、

「口の中を噛んでしまった」
「そこが少し傷ついた」

など、何かきっかけがあって、そこから少しずつ悪化していくイメージでした。

ところが、抗がん剤治療中の口内炎は違いました。

原因がよく分からないまま、急にできる。

そして、一度できるとなかなか治らない。

「口内炎くらい」と思っていたのですが、次の受診時に先生に伝えると、すぐに塗り薬を出してくれました。

これが、私にはとてもよく効きました。

ベタベタするので、つけ過ぎないようにはしていますが、夜につけて寝ると、朝にはかなり良くなっています。

自然に治る感じが全くなかったので、それ以降は口内炎ができたら早めに薬を使うようになりました。

今のところ、口内炎は3回できています。


なぜ抗がん剤治療で口内炎ができるの?

病院でもらった資料によると、抗がん剤は、細胞が増える仕組みを妨げることで、盛んに分裂を繰り返すがん細胞を攻撃する薬です。

その一方で、分裂する速度が速い正常な細胞も影響を受けます。

口の中の粘膜の細胞は分裂するスピードが速いため、抗がん剤の影響を受けやすく、粘膜に炎症が起こることがあります。

また、抗がん剤によって白血球が減少するなど、免疫機能が低下すると、口の中の細菌や真菌による感染が起こることもあります。

こうしたことから、抗がん剤治療中は口内炎が起こりやすくなるそうです。


抗がん剤治療中の「口の渇き」がつらかった

口内炎と同じくらい、私が長く悩んでいるのが口の渇きです。

抗がん剤の副作用である吐き気を抑えるための薬にも、「口の中が乾く」という副作用があると、薬剤師さんから説明を受けました。

私の場合、抗がん剤治療が始まってからずっと続いている未解決の悩みです。

「喉が渇いた」というのとは、ちょっと違います。

とにかく口の中が乾く。

日中はひっきりなしに水を飲んでいます。

しかも、この頃は味覚異常もあったので、水までおいしく感じられませんでした。

寝ている時も口の中が不快で、鼻が詰まって口呼吸になっているような感じもありました。

鼻水を抑えるアレルギーの薬や、乗り物酔いの薬を飲んだ時に「口が乾くな」と感じたことはありませんか?

私の場合は、あの感じがずっと続いているような感覚でした。


口の乾きから「口の中がベタベタ」に

口の中が乾いていると、不快なだけではありません。

唾液が減ることで、口の中の汚れがこびりつきやすくなり、細菌も増えやすくなります。

私も一度、口の中のベタベタがものすごくひどくなったことがありました。

これはかなり慌てました。

そこで、普段は使っていなかった舌ブラシも使うことにしました。

まず刺激の少ないマウスウォッシュを使い、舌ブラシで舌をやさしくブラッシング。

病院からもらった資料には、舌の表面には白血球や細菌などが黄白色の汚れ(舌苔)としてたまることがある、と書かれていました。

舌は汚れがたまりやすい構造をしているそうです。

舌ブラシを使う時は、舌を傷つけないように、柔らかいものを使ってやさしく

何日か続けて、歯磨きとうがいも意識して行ったところ、あれほど気になっていた異常なベタつきは治まりました。

あの時は、

「口の中って、こんなにベタベタになるんだ……」

と、かなり驚きました。


口の中を清潔にしておくことが大切

抗がん剤治療中は白血球が減少することもあります。

口の中で細菌が増えると感染のリスクにもつながるため、治療中は口腔ケアをしっかり行い、できるだけ口の中を清潔に保つことが大切だと病院でも説明されました。

私自身、今回の「口の中のベタベタ」を経験して、普段以上に口腔ケアを意識するようになりました。


口の渇きや口内炎がある時の口腔ケア

病院でもらった資料を参考に、私が意識していることをまとめます。

  • こまめに歯磨きやうがいをする
  • 口の中が乾燥しないよう、こまめに水分をとる
  • 刺激の強い歯磨き粉やマウスウォッシュは避ける
  • ベタつきが気になる時は、舌ブラシを使う
  • 柔らかい食べ物を選ぶ
  • 香辛料など刺激の強いものを避ける
  • 虫歯や歯周病などがあれば治療しておく
  • 栄養状態にも気をつける

※口の中に傷や炎症がある場合は、無理に舌ブラシなどを使わず、医療者に相談してください。


口内炎や口の乾きで食べづらい時は?

口の中が乾燥したり口内炎ができたりすると、食べ物が食べづらくなることがあります。

さらに私の場合は、ここに味覚異常も加わりました。

そのため、「口の中が痛いから食べられない」「乾いて飲み込みづらい」「味がおかしくて食べたくない」が重なってしまうこともありました。

病院でもらった資料には、口の中を刺激しないための食事の工夫として、次のようなものが紹介されていました。

<口内炎がある時に食べやすいもの>

  • 軟飯、おかゆ、おじや、雑炊
  • フレンチトーストやパンがゆ
  • フライなどは、だし汁で煮たり卵とじにする
  • あんかけやとろみをつける
  • ゼリー、ヨーグルト、プリンなど、のどごしの良いもの
  • 食事に飲み物や汁物を組み合わせる

一方で、口腔衛生の資料では、

  • 熱いもの
  • 冷たいもの
  • 固いもの
  • 香辛料の強い料理
  • かんきつ類など酸味の強いもの

などは刺激になるため避けるよう書かれていました。


でも、私は「冷たいもの」や「酸っぱいもの」が食べたかった

ここは、私自身の体験として書いておきたいところです。

病院の資料では「冷たいもの」や「酸味の強いもの」は刺激になるため避けたほうがよいとされていました。

でも私は、冷たいものや酸っぱいものが欲しくなりました。

以前の記事で書いた味覚異常ともつながるのですが、口の中が変な味でベタベタしていると、冷たくて酸味のあるもののほうがスッキリするように感じたんです。

「口の中を刺激しないほうがいい」と分かっていても、

「でも今はこれが食べたい!」

ということもあります。

食事は吐き気の問題などにもつながるので、何が正解とは一概には言えないと思います。

ここで紹介した食事の内容は、あくまで口腔衛生という視点から見た食事の工夫

実際には、その日の体調や口の状態、味覚、吐き気などによっても食べやすいものは変わります。

私の場合は、自分が食べられるもの、食べたいと思えるものを優先することも大切だと感じています。


味覚異常と口のトラブルは別なの?

今回の記事を書いていて、私自身も少し迷いました。

「味覚異常も口の中のトラブルなんじゃない?」

確かにそうです。

でも私の中では、少し違う感覚があります。

味覚異常は「味が変わってしまったこと」。

そして今回書いたのは、

「口が乾く」「ベタベタする」「口内炎ができる」という、口そのものに起きた変化。

どちらも食べづらさにつながるので、実際には重なっている部分もあります。

だからこそ、今回の記事では「食べ物」の話をすべて詳しく繰り返すのではなく、口の中のトラブルを中心に書きました。

味覚異常については、こちらの記事で私の体験を詳しく書いています。

👉 関連記事:<乳がん 抗がん剤治療>副作用による味覚障害「記憶の中の味と違う!」


おわりに

抗がん剤治療を始める前は、まさか「口の中がベタベタになること」にこんなに困るとは思っていませんでした。

口の乾きも、口内炎も、「口の中のちょっとした不調」と思ってしまいがちです。

でも実際には、食事がしづらくなったり、眠りづらくなったり、口の中の不快感がずっと気になったり。

治療中の生活に意外と大きく影響するものでした。

だからこそ、症状がひどくなる前から口の中を清潔に保つことや、気になる症状があれば早めに医師や歯科医、薬剤師さんに相談することが大切だと、今回の経験を通して感じました。

私のように「口の中がなんだか変」「乾いてつらい」「ベタベタして気持ち悪い」と感じている方に、この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。

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